2014年度書いたもの〜音楽劇:森でひろった言葉たち

そろそろ桜が散り終わる頃なのに昨日は雹が降りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
前回の投稿から少し日があいてしまいました、4月5日に今回のタイトル「音楽劇:森でひろった言葉たち」(正確にはWe Are ONe 4th Concert 第3部と冠がつきます)の公演がありましたが、そこから緊張が解けたのか扁桃炎になったりでなかなか書けずにいました。
ともあれ当日お越しくださった皆様本当に有難うございました。

さてさて今回の公演は色々あって今年度に入ってからでしたが本来は昨年度の活動を締めくくるコンサートでしたので昨年度の作品としてお話ししています。
この作品は元々私のオリジナルで、脚本原作と楽曲(作詩作曲編曲)とミュージカルを上演するにあたって書くべきものの大部分を提供させていただきました。この作品を書き上げるため足しげく通った「小幡緑地東園」の写真とともに紹介していきます。

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あらすじは、
「中学2年の最後の日、幼馴染の未春、滋、楓華、柊一の4人は近道である森を通って下校中突然の雨に降られ仕方なく雨宿りをします。未春は何かみんなに言いたいことがあるようですがなかなか言い出せず、時間だけが経っていきます。次第にみんな口数が少なくなっていきその存在も雨音に消えて行きます。そんな時ふと美春が気づいた「雨の匂い」。4人はすっと森の領域に踏み込んでいき、そこで出会ったのは人間の世界で言う所の「ちょっと不思議な存在」であるサキや木霊(こだま)たちでした。
4人はサキや森の仲間たちと出会い楽しい時間を過ごします。しかし群れや街を追われたあげく信頼していた友達も何も言わずに会いに来なくなってしまいひねくれてしまったカラス・クルスタの話を聞くうちに「自分もまだみんなに何も言えていない」とその場から逃げ出しひとり悩んでしまう未春。そこにやってきたのは木霊たち。木霊たちにワケを話していると・・・」
・・・これくらいにしておきましょう、また動画など公開するかもしれませんのでそちらでじっくりお楽しみいただければと思います。

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さて、そもそもの話をしますと「森でひろった言葉たち」というのは以前やっていたグループ「オトノワ」(vocal高木千晶, sax澤太輔, piano尾崎奈未, bass山本翔太)で2014年3月に発売したCD「オトノフラワー」に収録されていた同名の曲集の事でした。
この曲たちは名前の通り森をテーマにした言葉=詩に曲をつけて作られました。企画当初は森は関係なく既存の自然詩を朗読するように歌う「音楽的朗読」というコンセプトで色々な詩人の作品を探していましたが、著作権の切れた自然詩というもの自体ほとんど見つけられず、ワーズワースのような外国の大物のものも調べてみたのですが買った詩集が悪かった、いや、翻訳がとても悪く(最終的に自分で翻訳するにしろ)激しくモチベーションが低下してしまいました。で、色々悩んだあげく、「もう探すのめんどくさいから自分で作ってしまおう。」と思い立ちまず詩を作るために近所の森「小幡緑地東園」に足しげく通いました。脚本を書いた時もそうでしたが、上を見て下を見て音を聞いて匂いを嗅いで…とにかく晴れたら森に行き雨が降ったら森に行き嵐が吹いたら森に行き、劇のセリフにもあるように「自分を森に溶かして」言葉を拾い集めていきました。
(ちなみに夜の森を書こうと夜中にも行きましたが、入り口まで行った時点でその圧倒的なエネルギーの前に震え上がり、情けなくも入り口で同じところをぐるぐる回りながら言葉を編んでいました。完全に不審者ですね。)

気にかけたのは「詩を書く」という事。つまり歌詞のようにメロディが乗ることを前提とせずに単独で成り立つ「詩」として作ること。作曲は本業ですが詩作に関しては全くの素人なので、何度も浮かんでくる「歌」を消しながら詩を書いていくということが一番大変でした。

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詩を作るまではなかなか試行錯誤がありましたが、曲をつけていくのは存外簡単なことでした。慣れているということも当然あるでしょうがそれ以上に、日本語としてナチュラルなメロディ、つまり朗読するようなメロディをつけるということで大体の高低が決まっていたので大まかなメロディは詩を読んだ時点で決まったようなものなのです。事実「こけ」は詩を一度音階に当てはめて大げさに読んだだけで完成しました。日本語って美しいですね。
こうして、雨上がりの森の美しさをうたった「残り香」、こけの視点で書いた「こけ」、夜の森を妄想した「木霊」、そして過去と未来を写しながら今を歩く「みち」の4曲が選ばれメロディがつきアレンジが施され「オトノフラワー」に収録されました。
そこからvocal高木千晶と私の共通の先生でもあり合唱団We Are ONeの指導者である美口啓子氏より、この曲たちにストーリーをつけてWe Are ONeでやってみてはどうかと言っていただいたのが、今回の音楽劇につながっていきました。

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さて、音楽劇の曲はこれだけではありません。4曲では音楽劇は成り立ちませんので、当然作ったストーリーに合わせて色々な曲を書きました。
「雨」「きらわれカラス」の2曲は前の4曲を作る時に書きためていた言葉のアイデアを元に同じように詩に曲をつけて作りました。この2曲はともに物語の大きなキーポイントとなってくれました。
他にも未春が秘密を打ち明けられなくて悩んでいた時に木霊たちに出会って話をするシーンの「言い出せなくて」やダンスの曲、転換の曲等、先の4曲と合わせ計10曲以上あります。
その殆どを新たにこの公演で乗っていただいたアンサンブル「ソレイユ」さんの編成(クラリネット、チェロ、マリンバ、ピアノ)に編曲したので、劇の曲部分を作るだけで半月以上、非常に長い時間がかかりました。しかし思った通り、いや期待以上に全部木製楽器であるこの編成の音色は素晴らしく、見事に森を表現していただきました。

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そんなこんなで色々な事がありながら森と部屋に引きこもって丸々1ヶ月以上・・・悩みに悩みながらもなんとか脚本と楽曲を揃えることができ、美口先生をはじめとする多くの指導者の方々の尽力、演奏者の方々の曲への深い理解と感性、保護者の方々の衣装作りや心身のバックアップ、そして何より子供たちのどんな雨でも一瞬で晴らせて虹をかけてしまう魔法ようなの力が開花して素晴らしいステージとなりました。こうして皆様に観て聴いていただけて本当に良かったと思っています。ありがとうございました。

 

ちなみにこの曲集、これで終わりではないかもしれません。まだまだアイデアのまま止まっている言葉がたくさんあります。それに伴いストーリーももっと展開していくかもしれません。またどこかで新作を聴いていただく機会がありましたらその時はよろしくお願いします。

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